知らないルートを走る（電池は肝心な時に切れるもの）
（…電池切れそうなのは私じゃ～！）
保護クリームよーし、絆創膏よーし。
鎖骨対策はしました。
今日はLSD90分です。帰宅ランでその練習をします。
そそくさと会社を出て、シルバーウィークでごった返す駅を通ります。ビルの谷間なせいか、なかなかガー君（GARMIN FA225j）が電波を拾いません。電波を拾うまでは走れない…観光客の視線が痛い…。結局5分近くかかって電波を拾い、走り始めます。
最短ルートで家まで帰ると9キロ強、ゆっくり走って60分ちょっと。90分にするために大きく迂回したルートを取る必要がありました。さっさと帰りたい…でも練習しないとフルマラソンは走れませんからここは我慢です。
（どうせならあの河川敷に寄ってみようかな）
バスルートに沿って走ります。幹線道路なので空気が悪い…道もでこぼこしています。いつもバスに乗ってる道を走る日が来るとはねぇ。何だか不思議な気持ちです。
背負ったイカすモンベルクロスランナーパック（定番フレーズ）には今日は着替えの他におつとめ価格のミニマフィンが入っています。あまり揺らすと粉になるかもしれない、それ以前に私の鎖骨が無くなるかも…！ ゆっくり慎重に走ります。キロ7分半が目標です。
日が暮れる街、ランナーさんもちらほら。何人かは福岡マラソン出るのかな？ 大会頑張りましょうね。そんなことを色々考えながら進みます。
（…地面硬い）
日が暮れ始めた私の知らないルートは足元が不安で腰が引け気味、ちょこちょこ歩幅のおっかなびっくりフォーム。
（腰が…スネも痛いわ…）
遅いペースを維持しようと、いつもと違う筋肉も使われているのでしょう、あちこちに違和感が。でも膝は痛くないのがせめてもの救いです。
（まさかここに来る日が来るとは…）
40分程で車窓から十年近く見ているだけだった河川敷に着きました。こちらに越してきて初めて足を踏み入れます、これは走ったからこその御縁ですね。遠くからは分かりませんでしたが、足に優しいゴム舗装のルートです。既に日は落ち辺りは真っ暗、間隔を置いた街灯が辛うじてコースを照らします。
（コース外れたら転げ落ちて一大事じゃない？ コレ…）
土手の頂上がコース、土手の右手は川、左手は車道。柵は所々に頼りなさげなものがあるようですが、何せ暗くて見えません。
（…うわ！）
暗闇からウォーキングの人が現れました。黒い服を着ていて気付くのが遅れました。
（うーん…あそこにも人がいる？）
目を凝らすと、犬の散歩をしている人や釣りをしている人、もちろん走っている人など、結構人がいる…感じ（暗くて見えない）。
（なんでみんな黒い服なんだ、ココの人は！）
示し合わせたようにみんな黒い、ライトを持っている人いない…。ここの人たちみんなフクロウの目を持ってるの？
2キロ強のその河川敷コースで、人は結構いたのにライトを持ったり反射材をつけた人とすれ違うことはありませんでした…。夜歩いたり走ったりする時は、せめて反射材を身に着けたほうが自分のためにもいいのになぁ。
でも足に優しく真っ直ぐ、高低差もなくて走りやすい良いコースです。広い川の対岸には流通センターや高速の光が並んでいます。明るくても綺麗だろうなぁ。そんなことを思いながら、ぽちぽち走り続けます。
河川敷コースを終えた頃、給水も兼ねて近くのスーパーに立ち寄ります。トイレもお借りしスポドリを1本購入、店外に出て飲もうかと手に持ちましたが暫く眺めてザックにしまいました。汗は沢山かいていましたし、喉も乾いた感じですが、飲む気にはなりませんでした。
給水は私が苦手とすることで、スポーツクラブのレッスンでも登山でも途中ではほぼ給水しません。集中が切れてしまう気がするんですよね、飲むと。でもこれはダメ。今後のメンタル的練習課題です。
ペットボトル1本分の負荷を加え、再び走り始めます。もう見慣れた景色です。そして家まで延々と続く上り坂…ここにきてコレはキツい…キツい…。
元気な高校生も自転車を押して登る急坂を2つ必死に辛うじて歩かず登り、ああやっとゴールだぁと思ってガー君を見ると「1:24:×」の数字。
（う、マジですか？？！）
もう家の側なのに1時間30分まで後6分もあります。このまま家に帰ったら5分程足りない事になります。
泣く泣くUターンして調整します。もう直ぐ家だと思ったのに心が折れそう…でもあと少しです…。
（も、もう折り返していいかな？）
ガー君を見ると画面いっぱいに「電池容量低下」の文字。残り時間が見えません。
（こんな時に限ってぇ！！）
ちょっとガー君を恨みます。
同じ頃、Bluetoothイヤホンから「battery level low」の音声が流れます。iPodminiを見ると本体も電池が切れそうです。
（…電池切れそうなのは私じゃ～！）
もう、もうなんてこと！ 一気にみんな電池切れ目前です。ある意味一心同体です。
ヨロヨロしながら何とか時間の目処をつけ、LSD90分を終了しました。恐る恐るガー君を見ます。
ギリギリ1時間30分をクリアしていて良かった…、ここで1秒足りないとかだったら倒れるわ…。
信号待ちでがくんと落ちる心拍数。他の人もこんなに落ちるのかしら。
こうして帰宅ラン兼LSD90分が終了しました。
帰宅後ガー君とイヤホンとiPodminiを充電し、衣類とザックを洗濯機に放り込みました。私が水を飲むのは一番最後でした。
距離も時間も長いけど、ワンウェイコースは飽きずに走れますね。本番前にコース試走しようかと思っていましたが、やめようと思いました。知らないコースを走る方が私には向いているようです。
え？ 鎖骨？
もみじおろしでしたけど？
…いった～～い！！
