走れ shiomine

すぐ故障する弱脚だけど、整形外科に通いつつぽくぽく走っています。

やっぱり走りに来てよかったな(北九州マラソン2020レポその3)

まだ感染者の発表はない佐賀でも。

sagasakura-marathon.jp

 

東京マラソンが中止された影響は確実に他の大会にも影響を与えていますね。どんな結果でもいいから、早く発表していただくことが参加予定者にはいろいろありがたいと思います。開催されることが一番だけど、さて。

 

 

それでは北九州マラソン2020レポ、最終です。

 

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小倉駅周辺に戻ってきて、ゴール地点を横目に今度は門司港へ向かうコースに入り、長いながい海沿いスライド区間の始まりです。

私が20キロ程進んだ2時間あまりの時間で、トップランナーさん達はゴールへと戻ってきています。相変わらずすんごい速いなぁ…とトップランナーさん達を見ると、腕や足の表面が真っ赤…ランパンにタンクトップもちろんポンチョもかぶっていないので海風に直接拭かれたその肌は寒さで赤くなっているようです。それにいつもは38km地点で配られている小倉牛のパックをもって走っている速いランナーさんもいるのに、見かけたランナーさんは皆もってない…。持って走るのは無理と思うほど後半きついのかな…。そんなことを思っていました。

 

海沿いに出ると驚く程横風が吹いています。突風でポンチョが何度か足にからまり横によろける程です。それに雨も強く降ったり止んだりしました。足は水たまりに何度か突っ込んですでにぐちゃぐちゃです。それに…寒い。濡れた状態で風に吹かれると寒いというのは登山で知ってはいましたが、走って熱を生み出しているはずなのに、寒い…とまると凍える…。

 

私は15・25・35km地点でジェルを取ります。25km地点に近づいた時にジェルのキャップを開けようとしてポーチを開けようとしたのですが、手が凍えてポーチを開けられません。そうこうしているうちにエイドが近づいてきて結局ジェルを取らずに給食とアクエリをいただきました。あまりに手はかじかみすぎてスマホを取り出して撮影する気になりませんでした。

考えていたのはただ一つ、ぜったい止まらないこと。止まったら最後、私の速さではあっという間に冷えて動けなくなるからです。

 

エイドでは全種食べるのを目標にしていたけれど、どういうわけか食欲すらありません。北九州マラソンは各エイドで5種類くらいまとめて給食が提供されるのですが、各エイド1~2種を手のひらに乗せてもらって食べるのが精一杯でした。しかも雨で給食の売れ行きはあまり良くないのか、手を出すと大量に乗せてくれるのです。それらは多すぎて全部食べることはできず、かといってポーチを開けることもできず仕方なくコップと一緒に捨ててしまいました…。私らしくない…。

給食はたこめし、クロワッサンは食べたな…ぼた餅も食べた。でもそれだけ。カステラとか栗饅頭とかトマトとか手に乗せてくれようとしてくれましたが、食べられないと思って手を引っ込めたのを覚えています。

 

後半はただ寒かった。濡れて嫌だった。そんな中でも応援してくれている人は居たし、ボランティアさんは傘もささずに一生懸命エイドを出してくれていました。お水をもらってはありがとうございます、沿道から声をかけてもらってはそちらを向いてにこっと笑って頭を下げます。もう私にできるのはこれくらいです。

 

なんとなくお腹も痛くなってきてトイレによると、案の定冷えて下し始めていました。お腹に貼ったカイロは雨でぬれて暖かさはなくなっていました。

 

門司港へ向かうほどに風は強くなってきましたが、それはまだ序の口でした。門司港を折り返した途端、驚くほどの向かい風になったのです。今までの風は追い風だったんだ…! ポンチョが向かい風を受け身体を押し戻します、帽子は押さえないと飛んでいきそうです。何度も風に押されて私を含めた他のランナーさんもよろけるし前に進まないような突風です。

それでもノロノロと遅いながらも走りますが、ちっとも距離が縮まらなくて、風は強いし寒いしお腹は痛いしエイドではなんだか食べられないし…これが初マラソンだったら絶対もう走ってないなと思っていました。

私の初マラソンの思い出…福岡マラソン2015はとても暑くて道端で人が座り込んでいたけれど、今は歩道を腕を抱えて寒さに耐えて歩く人たちが沢山いました。速いランナーさん達にはわからない戦いが、遅いランナーさん達にもあるのです。

 

それでもなんとか距離を縮めて、目玉給食「小倉牛」のエイドももう少しというところで、なんとかポーチからメイタン金を取り出して口の中にねじ込みます。お水をもらおうと思って近づくと、パックに入った牛を「はい!」と渡されました。

え??

去年よりも30分以上遅いからもうとっくに無くなってると思ってたので、驚いてまじまじとパックを見ます。ちゃんと小倉牛が2切れ入っていました。パックを持つ手は寒さで震えています。でも…でも…。

わぁ…うれしい…!

皆はその場で食べていましたが、なんだか途端に楽しくなって、寒さも忘れてパックを両手に持って走り始めました。口の中はメイタンでベタベタです。

やった! もらえた!

単純なもので、貰えないと思っていたものがもらえて今までの寒さはどこへやら、雨もあがってきていたのもあって後の道は小倉牛を両手に抱えてウキウキでした。小雨の中、他に小倉牛を手に持って走っているランナーさんは周りにはいません。ゴミをもって走っていると思われたのかボランティアさんが時々ビニール袋を差し出して捨てていいよとアピールしてきますが、私は首を振って入っているアピールをします。これは大切な牛なのです。今年も貰えたのです。途中空いているトイレに1回寄りましたが、あとはただひたすらウキウキで走りました。メイタンが効いてきたのか足も軽いし、身体も動きました。

ハーフを過ぎて小倉牛までもう本当に嫌だったけど、牛貰えたからよかった、雨も上がってきたしこのままきっとゴールはできるし良かった! 雨の中ボランティアさんは役目終わっても応援してくれてるし、沿道の応援もずっとあった! ちゃんとここまでこれてよかった!

 

ゴールに近づいてきた頃に増田明美さんと宋茂さんが沿道で応援してくれているのが見えました。こんな遅い時間まで寒いのにありがとうございます!!

 

そうしてなんだかウキウキしたままゴール。

 

コースにお礼をしてメダルやタオルをもらいます。

速度を落とした途端身体は冷たく、同時に気持ちも途端に冷たくなっていきました。

 

「…もうこんな天候の時は走らん」

 

貰ったメダルを見ながらそう思いました。

雨だけならいい、こんな強風の時は遅い私は走っても最後まで身体が温まらないことを知りました。いい経験ではあったけど、2回目はいらない。寒すぎる。暑い方がまだまし。私は寒いの向いてない…。

 

浮き沈みの激しい気持ちのまま

私の北九州マラソン2020は終わりました。


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装備編でもう一回だけ続きます。

 

 

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