走れ shiomine

すぐ故障する弱脚だけど、整形外科に通いつつぽくぽく走っています。

福岡マラソン2015体験記その3(31~40キロ)

フルマラソン翌日、病院へ行きまずは左足と左腰の治療をしてもらいました。理学療法士さんとかに「お疲れ様でした、筋肉痛は?」とか聞かれましたが、筋肉痛になる程身体が使えていなかったので、気遣いが嬉しかったとともに少し申し訳なくなりました。


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足が痛いけど、まだぽくぽく走れています。余裕もまだたくさんあります。美しい海を見ながら(山の民なので海にウキウキする)、後半にある糸島の海沿いの坂に差し掛かり、その坂を下り終える頃、ふくらはぎのつりが少し強く、つる間隔も少し短くなりました。汗もかいていたから、もしかしたら脱水が進んだかなと思い、31キロ地点の給水でスポーツドリンクと水を500mlペットボトル一本分くらい飲んだら、お腹いっぱいになりました。飲みすぎました。給水が下手なのは相変わらず。普段は飲まないので量の加減がわからないのです。置いてあった給食のピィナンシェを食べるもお腹いっぱい。
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その後持っていった補給食と博多通りもんと鈴乃〇餅とチロルチョコ給食もお腹いっぱいで食べられなかった…悔しい。

33キロ地点の給食博多通りもんをスルーしてスポーツドリンクを取り、ひどくなっている走り始めの右膝の痛みとふくらはぎのつりも我慢して走り始めてしばらくした頃です。

突然両ふくらはぎの筋肉が硬直し、膝から崩れ落ちそうになりました。何とか足を前に出し踏ん張りコケるのはまぬがれましたが、明らかに今までと違う痛みがふくらはぎを襲っていました。
(い、いったぁい!!!)
足を引きずりながらコース脇に移動しました。痛みは引きません。
(これは…)
膝から下に物凄い緊張感と痛み、なんとか力を抜こうにも全くいうことを聞いてくれませんでした。完全に両足がつってしまったのです。
(このままだと…歩くことさえできなくなる…)
そう感じた私は持ってきた芍薬甘草湯を握りしめ、ほとんど動かない膝から下をなんとか太ももで持ち上げるように足を引きずりながら走りました。
(粉薬なんだから…水…持ってこないといけなかった…バカみたい…)と思いながら、しょっちゅう転けそうになりながらも、何とか最後の36キロ給食ポイントにたどり着き、鈴乃〇餅とチロルチョコを横目に水と一緒に薬を流し込みました。続けてカフェイン入のメイタンゴールドも口に含んで水で流し込み、ぐっと手を握りしめ、覚悟を決めました。

(…行く!)

ふくらはぎのつりはストレッチしたら少しマシになりそうでしたが、止まったらもう動けなくなることはわかっていました。気持ちも折れてしまうでしょう。

だから私は決めました。

(私は走りに来たんだ! だからまだ走る!)

もう意地でした。遅くとも最後まで走って私はゴールしたい! そのために私はスタートに立ったんだ! 練習もしてきたんだ! だからまだ行ける! 行ける!!

歩くよりは速いかなという速度でしたが、緊張して固まった膝から下を何とか操りつつ、一歩一歩走りました。足をつく度にふくらはぎから痛みが体に走ります。


そんな時です。
遠くに見える畑の脇に立ち応援する人が目に入りました。頭にピンクの耳がついてます。
(あ、あのシャツ! ブログ村で見たことがある!)
画面でしか見たことの無かったTシャツが突然目の前に現れました。ブログ村マラソンカテゴリーでいくつか見かけるグッズの1つ、ぐわぁTシャツでした。ブログ村のサイトではいっぱい勉強させてもらったから知っています。
(あれ、本当にあるんだ、しかも着て応援…こんな時間まで…)
そう思うと急に嬉しくなり1人でふふっと笑いました。しかし今の私は両足がつったヨタヨタした走り、不甲斐なさ全開…。何だか声をかけることはためらわれました。
(応援ありがとうごさいます、頑張ります!)
そう思いながら、声をかけられないまま黄色いTシャツの前を通り過ぎました。


でも気持ちが何だか少し軽くなりました。

よし、走ろう! 最後まで!


相変わらず不格好な走りでしたが、それからも必死に足を動かしました。39キロ地点の最後の給水を取り、激痛に耐え、よたよた走ります。

「あとたった2キロー!」

沿道からの声援が飛びます。
そう、あとたった2キロ。

あと2キロで私の初マラソンが終わるのです。


~その4に続く~

福岡マラソン2015体験記その4(41キロ~ゴール、そしてその後)

フルマラソンの翌々日には右膝に注射を打ちました。一週間は走らず、ウォーキングから再開予定です。体力的には大丈夫でも、関節が弱いから無理は禁物です。故障の慢性化だけはなんとしても避けたい…。



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足のつりは相変わらず、膝の痛みも走ってる最中にひどくなっていました。フォームがめちゃくちゃになっていましたからね。

ただ後2キロ、後2キロで私の初マラソンは終わるのです。
それだけ走ればゴールできるのです。

よろよろ走る私の横を、余力のあるランナーさんたちが次々走って抜いていきます。悔しいなぁ、気持ちは折れてないのに追いかけられない。気持ちはあっても体がついてこない。でも私は絶対歩かない! 最後まで走ってゴールする! それだけは心に決め、足を動かしました。

沿道には沢山の人、分け隔てなく応援してくれます。ありがとうございます、私、ここまで来ました。初マラソンだったんですよ、もう少し走れるはずだったんですけどね。でも痛くても歩かなかったんですよ。
そんなことを思いながらよろよろ走っていると、遠くに青いものが見えてきました。

ゴールでした。

終わる…終わるのです、私の初マラソン。
あのゲートを超えたら、終わるのです。


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ゴールをくぐり、振り返って写真を撮りました。5時間をだいぶ過ぎていました。

私の初マラソン。
終わってしまいました。

ボランティアさんにメダルとタオルをかけてもらいます。
嬉しさもありましたが、まだ悔しさの方がまさったような気持ちでした。
バナナとアクエリアスを受け取り、記録証ももらいました。見るとやはり5時間を超えていましたが、紙に記録された数字を見て、この時やっと(私、遅かったけど最後まで走れたんだなぁ、この足でゴールまで頑張ったんだなぁ)と思うことが出来ました。

結果はついてこなかったけど、やれることはやってきたし、今日出来ることはちゃんとした。これが今の私。いまの私の力。

太陽に照らされホカホカになった荷物を受け取り、足を引きずりながら更衣室に向かい、ゆっくりと足を伸ばして座りました。しばらくすると走っている最中に飲んだ薬が今頃効いてきたのか、ふくらはぎが楽になってきました。右膝は動かすと痛いけど、歩けそうです。そしてこの時GPSウォッチを止めることを忘れていたことに気づきました…おバカ。 

着替えを済ませ、外で遠くからわざわざ応援に来てくれた身内と合流。私の身体がボロボロになるのではないかと心配しご飯や湿布などを買ってきてくれていました。ごめんね、ボロボロになるほど走れなかったんだ私。力を出し切れなかったんだ…ありがたいと思うと同時にと申し訳なくなりました。
一緒に帰りの有料シャトルバスに乗り込み、最初に完走メダルを見せました。

その後、実家に完走メダルと記録証、フィニッシャーズタオルを見せに行くと完走をお祝いするケーキが準備されていました。
…ありがとう。膝が悪いの知ってるから、私が初マラソン走ることで、皆にも心配かけました。
「最後まで歩かなかったよ」
今の私が胸を張って言えるのはこれしかないけど、これだけでも言えて良かったと本当に思います。
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~終わり~

私の初マラソンはこうして終わりましたが、まだ一つ、熊本城マラソン2016が残っています。次のマラソンではもう少しきちんと走れるようにしないといけません。

まずは今回痛めた膝とふくらはぎを治さないと。ちゃんと力を出し切れる状態の身体に仕上げていくのが目下の目標です。
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